今更ですが、サッカーのワールドカップが始まりましたね。当然、日本を全力で応援しているのですが、イングランドもその次ぐらいに応援しています。

でも、考えてみたら、ワールドカップやオリンピックなどの国際大会で、イングランドやイギリスを応援できるようになったのは、在住15年を過ぎた頃からでした。それより前は、表立って「こき下ろし」たりはしないけれど、テレビで観戦しながら、心の中では「負ければいいのに~」(性格悪いですよね)と叫んでいました。

なぜか。イギリスが嫌いだったんですね。「大」が付くぐらい。
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旅行でイギリスを訪れていた時とか、イギリスに住み始める前は、イギリスが「好き」でした。でも、住み始めると、イギリスが「大嫌い」に。これは、海外在住者の多く(?)が通る道なのかも知れません。

旅行でイギリスに来ているうちは、良かったんです。のんびりしていて、自然が多く、牧歌的で。観光に携わる人としか接しないし、トラブルに会わなければ、面倒なコトも何もありません。イギリスの「いいとこどり」です。

でも、実際に住んでみると、何にしても「スタンダード」が日本よりも驚くほど「低すぎる」。日本に住んでいれば「当たり前」のことが、イギリスでは「当たり前じゃない」んですね。「病院」しかり、「カスタマーサービス」しかり。
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日本が正しく理解されていなくて、日本に対する偏見を感じて、ジレンマを感じたこともよくありました。

イギリスに住み始めた当初、義母がアジアをひとからげで見ていて、日本も発展途上国だと思っていたり(「イギリス人から見た日本」)、義母の友人に難民扱いされて「イギリスに住めて良かったね」と言われたことも(ここまでくると、無知の極みだし、とても失礼ですが)。

そういう偏見に会ったときは、一つ一つ、「そうじゃないんですよ」と訂正するけれど、偏見って、ふとした時にいきなり降ってきます。いきなりそういうことが起こると、ストレスが溜まるし、要らないエネルギーも使います。そして、そういうことが起こるたびに、どんどん疲れていって、イギリスが嫌いになっていきます。
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そういう偏見について、夫に話をしても、夫も理解できないんですね。夫が日本旅行中に、京都で小学生の修学旅行グループに囲まれたことがあったのですが、「それと同じ」だと言うんですね。

いやいや、違うでしょう。
夫が小学生グループに囲まれたのは、「物珍しさ」からだけど、私が言われたのは、偏見からで、私にすれば「とてもネガティブなコト」なんです。

悲しいけれど、人間って、自分が経験していないことは、なかなか直感的には理解できない生き物なのでしょう。
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イギリスを許せるようになって、あまり嫌いじゃなくなったのは、在英15年目を過ぎたころからでしょうか。

「スタンダードが日本よりも低すぎる」のは、あまりカッカしていると、精神衛生上、良くないですよね。「この国の人たちには出来ないんだ」ということを受け入れて、上手くいったらもうけもの、と思えるようになってから、気が楽になりました。

偏見にも、会うことは少なくなったけれど、「これ、偏見だな」とか思ったら、自分の中に溜め込まないで、一つ一つ、きちんと訂正するようにしています。そうすると、自分の中で満足度も上がっていくんですね。

そして、住んでいる国を徐々に好きになるにつれて、自分の中の幸福度も上がったような気がします。
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海外在住の人の中には、今住んでいる国のことを嫌いな方もたくさんいると思うんですね。今は多分、しょうがないのでしょう。そういう時期なのでしょう。でも、いつか許せるときが来て、その国を少し好きになれる時が来るかも知れません。


あと、「縁が薄い国」「遠い国」(例えば、私にとっては、南米とかアフリカとか)のことは、よく分からなくて、私自身、偏見を持つこともあるかも、とも感じます。自分自身も、偏見や先入観をできるだけ持たずに、人に接したいですね。


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