今日、イギリス時間の9月19日午前11時から、ロンドンのウェストミンスター寺院でエリザベス女王の国葬が行われました。国葬としては、1965年に行われた元首相チャーチルの国葬以来はじめての国葬だとのことです。
沿道
この日、イギリスでは国営放送BBCを含め、民放各社でも、朝から夕方まで女王の葬儀のニュースを続けています。「チャネル5」はなぜか、まる一日ほぼアニメを放送し、やや物議をかもしていますが、こういうチャネルもあってもいいでしょう。

今日は、休日になり、スーパーをはじめ、さまざまな企業が休業。できるだけ多くの人がエリザベス女王を追悼できるように、とのことだそうです。広場にスクリーンが設けられるだけでなく、映画館のスクリーンでも、国葬の模様が中継されました。

葬儀に先だって、女王の棺は、一般弔問を行っていたウェストミンスター宮殿 大広間から、142名の水兵に伴われてウェストミンスター寺院へ移されました。
葬儀場へ1053
棺の上の花輪には、チャールズ新国王が選んだ花を使用。バッキンガム宮殿とクラレンスハウス(チャールズ国王の現在の公邸)の庭の花が使われています。ローズマリー(花言葉は追憶)や、ギンバイカ(1947年の女王の結婚式の際に植えたもの)、イングリッシュオーク(英国の象徴。強さを表す)などが使われています。
花輪2
ウェストミンスター寺院は、1947年にエリザベス女王とフィリップ殿下の結婚式が行われ、1953年にはエリザベス女王の戴冠式が行われた場所でもあります。それを考えると、歴史の重みを感じます。
天井
ウェストミンスター寺院の首席司祭デイヴィッド・ホイルが葬儀を取り仕切り、世界各国の指導者や王族など約2000人が参加しました。
式中1111
天皇と皇后も、各国の王侯とともに参列している姿が見られました。現天皇はオックスフォード大学留学時に、イギリス王室とお付き合いがあり、エリザベス女王とも親交を深めてきたとのこと。
天皇2

生前に女王は、「長いだけの退屈な葬儀はしたくない」と言っていたとのこと。

エリザベス女王は、生前にご自身の葬儀 式次第に目を通しており、演奏される楽曲や朗読される聖書の箇所には、女王本人のリクエストが反映されているそうです。
式中7
その女王のリクエストを反映して、葬儀は英国国教会の祈祷書にのっとって行われ、シェークスピアにインスピレーションをもたらした祈祷書の美しい言葉が使われています。
讃美歌
美しい讃美歌も歌われました。
讃美歌2
葬儀の最後に2分間の黙とうが行われ、その後、バグパイプによる演奏が行われました。このバグパイプの演奏も、女王のリクエストだそうです。女王はバグパイプの音色が好きで、毎朝9時にバグパイプの音色で起床していたそうです。
バグパイプ
その後、棺はウィンザー城へ運ばれます。
ウィンザーへ
ウィンザー
聖ジョージ聖堂に棺が収められ、埋葬式が行われました。埋葬式には約800人が参列。
チャペル2
昨年4月にこの聖ジョージ聖堂で、エリザベス女王の配偶者フィリップ殿下の葬儀が行われたことが思い出されます。当時は、コロナ禍でソーシャルディスタンスに制限があったので、出席者30名という少人数の寂しい式でした(「エディンバラ公フィリップ殿下の葬儀」)。

女王のコーギーのうち、お気に入りだったミックとサンディが、大聖堂の外で待っていたそうです。これも、女王のリクエストなのでしょう。
ミックとサンディ
夜7時半から、家族だけで礼拝が行われ、ジョージ6世記念礼拝堂の納棺堂に埋葬されます。そこに、故フィリップ殿下と一緒に埋葬されるとのこと。

エリザベス女王が亡くなったときに、ウィリアム皇太子の子供であるルイ王子が、幼くてまだ死の意味が分からないながらも、「ひいおばあちゃんは、ひいおじいちゃんの所へ行ったんだね」と言ったそうです。

2003年にスコットランドで撮影された写真で、エリザベス女王お気に入りの写真だとのことです。心よりご冥福をお祈りしています。
写真
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