ここイングランド南東部では、6月上旬から2か月半ほどまったく雨が降らず、先週金曜日には「干ばつ宣言」も出たほどですが、今朝、待ちに待った雨がようやく降りました。

熱波もあって、昨夜は蒸し暑くてかなり寝苦しかったのですが、雨が降ったおかげで少し涼しくなりました。暑さが苦手な私としては、このまま涼しくなって、すんなり秋に入って欲しいところです。

2か月半も雨が降らないうえ、熱波で暑い日が続いていたので、あちこちで芝生が茶色く枯れてしまっています。ここは一面、緑の芝生のはずなのが、茶色です。
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そして、あまりの雨不足のために、木々の葉も散り始めて、まるで10月の様相です。
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いつも朝食前にジョギングをしているのですが、ジョギング路の途中で、道端に一株のタチアオイが咲いている場所があります。付近の家で育てていたのが、種が飛んできて自然に生え育ったのでしょう。
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びっくりするほど沢山の蕾が付いています。ジョギングしながらいつも、「綺麗だな~」「カラカラ天気と熱波の中で、たくましいな~」と思って眺めていました。

それが、昨日、ジョギングで通りかかったら、背丈が半分になっていました。「熱波で上半分が枯れて、誰かが厚意で、枯れた部分を剪定したのかなあ」と思ったのですが。。。

よく見てみると、ハサミで剪定したのではなくて、上半分が引きちぎられていました。誰かが、家に飾ろうと、上半分を引きちぎったのでしょう。

それに気付いて、何とも言えない気持ちに。

種が飛んできて、道端に咲いた花は、誰の所有物でもないし、引きちぎって持ち帰っても、まったく罪ではありません。でも、カラカラ天気と熱波にも負けずに、せっかく頑張って咲いている花を、ひきちぎる。

「花を綺麗だと思う心」が根底にあるとしても、「自分の物にしたい」と思って「ちょっと乱暴に引きちぎる」ことに結び付いたことに、何ともいえない思いを持ってしまいました。それは、「本当に花を愛しているんだろうか」と。

ドイツの哲学者エーリッヒ・フロム(1900~1980年)は、「持つ」生き方と「ただある」生き方の違いを述べています。「現代人は持つことに執着し、それを自分の価値としている」が「持つことにとらわれると、人としてのあり方が失われていく」と。

このタチアオイを家で飾ることで、本当に心が豊かになるのだろうか。ちょっと考えさせられた出来事でした。

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