イングランドでは、これまで、1月27日に「プランB」を撤廃(「イギリス、新型コロナ対策「プランB」を撤廃へ」)するなど、新型コロナ対策を「段階的に撤廃」してきましたが、昨日、新型コロナ対策を「全廃」することが発表されました。



今回の発表の概要は、以下のとおりです。

・2月24日木曜日から「新型コロナ陽性者の自主隔離」は、法的義務が無くなる。ただし、陽性者は少なくとも5日間は自宅待機し、他人との接触を避けることが勧告される。

・陽性判定された低所得者に対して500ポンド(約8万円)の自主隔離支援金が用意されていたが、これが廃止になる。

・4月1日に、一般市民に提供されていた「無料」の新型コロナテスト(PCRテストと簡易テストの両方)が終了。

無料テストは、今後は、ソーシャルケアワーカーや、新型ウイルスの影響を受けやすい人(基礎疾患を有するなど)のみを対象とし、一般市民は、必要に応じて簡易コロナテストを有料(数ポンド)で購入することになります。

また、4月以降に、75歳以上と、新型コロナウイルスの影響を受けやすい人を対象に、4回目のワクチン接種が行われるとのことです。

今回の発表の背景として、「ワクチンと感染の両方により、免疫を有する人が多い」、「感染者数は依然として多いものの、以前のピーク時と比べて入院患者数と死者数が大幅に少なくなった」、「貴重な財源を他に振り分ける」ことなどがあります。今年1月には、テスト(無料)だけで20億ポンド(約3200億円)の政府財源が費やされたとのことです。

イングランドでの、年齢別での免疫獲得率です。赤が2020年12月、オレンジが2022年1月です。どの年齢層でも、現在は免疫獲得率がかなり高いです。
免疫

イングランドでの新型コロナ患者1000ケースあたりの死者数です。一年前と比べて死亡率が激減しています。
死者数

昨日のデータです(月曜日のため、報告数が比較的少ない)。1日あたりの感染者数は3万~5万人と、まだまだ多いですが、死者数は100人前後、入院患者数合計は約11,000人と、以前よりもかなり減少しています。
データ
今回の発表に対しては、「時期早々」という声が多いですが、「今後6か月間というスパンで考えた場合、今週、翌週、翌々週のいつに行っても、感染者数に大きな違いはないだろう」(オックスフォード大学でアストラゼネカ製ワクチンの開発を率いた、Sir Andrew Pollard教授)などの声もあります。

「一定の免疫力がついた」ことと、「新型コロナが弱毒化している」ことを鑑み、政府財源が破綻しないよう、そしてビジネスの停滞を防ぐため、「自由」という名の元で、今後は、個人の判断にゆだねるという決断なのでしょう。
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コロナ禍が始まった当初は、「規制ルールを守らない、個人主義のイギリス人」を多く見てきましたが、パンデミックが長引くにつれ、慎重に行動する人も多くなってきたと感じています。

「規制全廃」というと、「規制を守らなくて良くなる」と誤解しがちですが、コロナは引き続き脅威であり、パンデミックは終わった訳ではありません。陽性者の自己隔離も、法的義務が無くなるだけで、「個人の裁量にゆだねられる」だけです。「少なくとも5日間は自宅待機し、他人との接触を避ける」ことが勧告されます。

その中で、「コロナとの共生」を実現できるかどうかは、真に、人々の常識にかかっているのでしょう。
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私自身の感想は、やはり「時期早々」であり、屋外で過ごせるようになる春まで待っても良かったのでは、という感が否めません。ただし、いつかは通る道です。「コロナとの共生の始まり」には、「コロナ禍の始まり」に感じたような違和感がどうしてもつきまとうものなのでしょう。

*画像はすべてお借りしました。

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