昨日の午後、少し時間があったので、久しぶりにネットフリックスで「深夜食堂」を観ました。

私が「深夜食堂」を観始めたのは、ちょうど1年ほど前です。

もともとは、友人にネットフリックスの「愛の不時着」が面白いと言われ、ネットフリックスに加入しました。はじめてネットフリックスにログインしたときに、偶然、「深夜食堂」が画面に表示され、そのときに観たのが最初です。1話1話、大切に観ていて、まだ「愛の不時着」にはたどり着けていません。

夫と一緒に観たこともあったのですが、夫には日本人独特の「人情」や「思いやり」が今一つ理解できない様子。今は、自分の部屋で一人で観ています。

昨日は、シリーズ3の第八話「きんぴらごぼう」でした。

深夜食堂「めしや」の常連客「ゲンさん」は、血気盛んな下っ端のヤクザです。
ある日、「めしや」で好物のきんぴらごぼうを食べていると、「きんぴらごぼう、あるかしら」と一人の女性が入ってきて、きんぴらごぼうを注文します。
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その女性は、ゲンさんの高校時代の英語教師で、部活の顧問でした。ゲンさんの憧れの人です。今はニューヨークで通訳をしているという。独身で、今回、2週間日本に滞在しています。

ゲンさん、その態度から、先生を好きなのがバレバレです。先生がお土産を買うのに付きあったりします。
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でも、先生は、短い滞在期間の中で、毎日、昔の仲間や世話になった人と飲み明かしていて、ゲンさんが先生に会えない日が続きます。

先生は、先生の「高校時代の担任」であり「憧れの人」である、「昔の彼」にも会います。
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「昔の彼」と熱海に旅行する約束をしたのですが、前日の夜になっても連絡がなく。先生と「昔の彼」はこじれてしまい、先生はゲンさんと一緒に熱海に行くことになります(=男女の関係)。ゲンさん、「本当に俺なんかで、いいんですか」。

そして、先生がニューヨークに帰る前日の夜。
「めしや」で、ゲンさんとマスターが二人っきりのときに、ゲンさんがマスターにポツポツと話します。

ゲンさんが高校を中退して上京することを決めたときに、先生が「いい男になって戻っておいで」と選別をくれたこと。先生の弁当を「汽車の中で食べなさい」とくれたこと。その中に入っていたのが「きんぴらごぼう」だったこと。

そして、「足を洗って先生を幸せにしたい」「また、思い出にしたくないから」と。

その夜、ゲンさんと先生は、「めしや」で過ごすのですが、下戸のゲンさんは飲みつぶれてしまいます。
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マスターと、先生と、飲みつぶれて寝ているゲンさん。先生がマスターに、「私はもう(ゲンさんのことを)思い出さない。ここで会った時も、ゲン君に言われなかったら、思い出さなかったしね」。そして、「今度はもっと遠くに行くの。だから、ゲン君も私のことを忘れて欲しい」

夜中の二時になり、先生は酔いつぶれたゲンさんをホテルまで連れ帰り、翌朝、酔いつぶれたままのゲンさんを残してアメリカへ去ります。

その後、ゲンさんは、先生に会える日を夢見て、ヤクザから足を洗ってパチンコ店で働き始めます。

そんなある日、めしやに1通のエアメールが届きます。エアメールを読んで、泣き崩れるゲンさん。
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ここで、このドラマは終わります。

先生、癌か何かの重い病気で、亡くなったのでしょう。エアメールは、それを告げる手紙。一時帰国は、昔の友人や世話になった人に、最後に一目会って、心の中でお別れを言うためだったのでしょう。

最後のエアメールのシーンを見るまで、「先生、昔の彼(妻帯者)に手を出すなんて」「ゲンさんの気持ちを分かっていて、軽々しくゲンさんに手を出すなんて」と、先生に全く共感できませんでした。

でも、最後のシーンで、まるでパズルのピースがきっちり揃ったように、すべてがはっきり分かります。

私も、「死期が近付いたら、昔に深くかかわった人たちに会いに行きたい」と、昔からよく思っていました。自分の一生で出会った人たちに、最後に一目会っておきたいと。そうすれば、人生に区切りを付けることができ、死ぬ前に安らかな気持ちになれるんじゃないかと。

先生は、あこがれの人だった「昔の彼」とは分かり合えなかったけれど、最後にゲンさんの純粋な愛情に触れて、救われたのでしょう。

「昔の彼」とゲンさん。
どんなに好きだった人でも、長い年月を経ると、気持ちや関係が徐々に変化していく。愛って「生き物」なのでしょう。そして、愛は、さまざまな形をとるんですね。
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写真はすべてお借りしました。

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