ここ数年、我が家では本当に色々なことがありました。今日書くのは、そうした出来事の1つです。

我が家は、夫婦そろってアフタヌーンティーが好きです。もともと、私が甘いもの好きで、アフタヌーンティーが大好きなのですが、夫も何度か一緒に行くうちに、アフタヌーンティーが好きに。

美しいお庭を見ながら、おしゃべりし、のんびり時間をかけて、美味しいスイーツを食べるのは、癒しの時間です。雰囲気がいつもと違うので、話題も広がって、家ではしないような話もします。

毎年、8月の私の誕生日はいつも、アフタヌーンティーに行くのが恒例になっています。昨年も、6月に早々に8月のアフタヌーンティーの予約を入れました。

ところが、昨年、7月中旬に義弟が、その2週間後に義父が亡くなります。コロナ禍のため、亡くなってから葬儀まで、3週間ぐらい間があります。ちょうど、アフタヌーンティーの日の4日後に、義父の葬儀が行われることになりました。

夫に「予約をキャンセルしようか?」と聞きましたが、「気分転換になるから行こう」とのこと。

その日のアフタヌーンティーは、イギリスの人気テレビ番組「Great British Bake Off」で優勝したパティシエが働いているホテルです。このホテルのアフタヌーンティーには、毎年1回行っているのですが、100点満点で150点付けたくなるほどスイーツが独創的で、かつ美味しいです。

映りがやや悪いですが、スイーツはこんな感じです。
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誕生日だと事前に伝えておくと、こんなプレートもサービスしてくれます。
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ホテルに着き、アフタヌーンティーのテーブルに通されました。テーブルは2メートル間隔で配置されていて、ほぼ満席です。ふと、夫の方を見ると、ジッと下を向いて青い顔をしています。「4日後の葬儀に、親戚が集まるのに、喪主側が参列者に感染させるようなことはしたくない」

このホテル、フレンドリーな対応を売りにしているのですが、ウェイターがマスク無しで、至近距離で客にいろいろ説明しています。夫は、それが気になるとのこと。

もともと、夫はどちらかと言えば神経質で、義母や義父など、身内に高齢者がいるので、コロナに対しても、ものすごく注意を払っています。

「私は(マスク無しは)気にならないし、どちらでもいいよ」と言い、夫に判断をゆだねました。「やっぱり止めたい」と言うので、ホテル側に事情を話して、アフタヌーンティーは中止にしました。事情を配慮して下さったホテルの方には、本当に感謝です。

「Great British Bake Off」で優勝したパティシエが働いている、このホテルのアフタヌーンティー。ものすごく楽しみにしていました。コロナ禍で、3月からずっと外食を控えていた昨年は、なおさらです。しかも、誕生日です。

でも、二人ともが楽しめないなら、意味はないでしょう。それに、アフタヌーンティーは何度でも来れるけど、いったん心が傷付いたら、なかなか心は元には戻らないでしょう。

結婚式の誓いの言葉「病めるときも、健やかなるときも」は、本当に奥が深いと思います。そして、健やかなるときに一緒に楽しむのは、簡単だけど、病めるときに支え合うのは、本当に難しい。でも、「病めるとき」のほうが、絆が強くなる気がします。